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排泄に関する基礎知識6

Vol. 09

おむつ交換のポイント

おむつ交換は介護する人・介護される人の両方に、身体も気持ちも思いのほか負担がかかります。でも、交換の際のポイントを押さえておくことで、身体の負担を大幅に減らし、スムーズに手早くできるようになります。介護される人の症状・状況でポイントはさまざまありますが、ここではベッドに寝ている状態でのテープタイプのおむつ交換を例にご紹介します。

おむつ交換の手順

①おむつの中の状況を把握します

おしっこのみ?便も?状況によっておむつ交換に必要なものを準備しましょう。
便がある場合のポイント
ケアシーツを敷く、新聞紙を準備するなど、おむつの外に便がこぼれたり、交換途中でさらに便が出るということも想定して、ベッドや周囲が汚れない工夫をしましょう。

②準備が整ったらおむつ交換に取りかかりましょう。手の届く範囲に、必要なものを準備しましょう。

[おむつ交換グッズ]
清拭用タオル、手袋、ケアシーツ、ティッシュペーパー、除菌ペーパー、お湯布、新聞紙、ビニールの風呂敷、ゴミ袋、ペットボトルの口にじょうろキャップをつけたもの(洗浄用)、肌の乾燥を防ぐための肌ケアクリーム など

便がある場合のポイント

ケアシーツを敷く、新聞紙を準備するなど、おむつの外に便がこぼれたり、交換途中でさらに便が出るということも想定して、ベッドや周囲が汚れない工夫をしましょう。

体位変換のポイント

寝たままのおむつ交換は、あお向けの体勢(仰臥位-ぎょうがい)にしたり、横向きの体勢(側臥位-そくがい)にしたり、この体位変換がポイントです。力まかせに動かさず「自然なからだの動きを助ける」という気持ちをもつことが大切です。無理に持ち上げたりずらしたりせずに、身体の一部を支点にした回転運動をイメージしてください。この技術はおむつ交換に必須なものなので、プロの実技指導を受けるのも一案です。

●あお向けから横向きに

寝返る方向に顔を向けて胸の上で腕を組みます。腕を組むことでからだがコンパクトになり回転が簡単になります。腕を広げたままだと、回転する際に引っかかったりして、関節に無理な力がかかる恐れがあります。

●両膝を立て、膝頭を持って手前に引きます

身体の手前側の横のラインが中心になって回転するように、テコの原理をイメージして動かします。下半身だけではなく、全身が回転するように向かい側の肩も一緒に引いてあげると、回転がよりスムーズになります。状況によっては、立てた膝を押しながら手前の肩を持ち上げてあげると、反対方向に回転できます。ただ、勢いをつけすぎないように注意が必要です。

●横向きになったあと、姿勢の安定を確保します

肩や背中の下、腕の前などにまくら・クッションを入れることで、横向きの体勢を楽に保てるかもしれません。小物を上手に利用しましょう。

③いったん横向きになってもらってからケアシーツを敷き、もう一度あお向けになってからおむつを開けます。使い捨てできる布やおむつの汚れていない部分でおしりを拭き、やさしくていねいに洗いましょう。おむつの上で洗うと、おむつが洗浄水を吸収してくれます。必要に応じて前述の体位変換をうまく使うと、すみずみまできれいにできます。

POINT

汚れは肌トラブルの原因になります。おむつ交換のたびにきれいにしましょう。

④いったん横向きにして、汚れたおむつをからだの下へ丸めて押し入れます。その下に新しいおむつを入れたら、あお向けに。汚れたおむつを取って、新しいおむつを広げます。

POINT

おむつ交換の際、観察しておきたいポイント
●尿の量と尿色
●便の量と状態
●肌のようす(赤みやかぶれなど、変化をキャッチ)

⑤太ももの内側からおむつを引き出します。左右対称になっているか、きつくないかを確認しましょう。

POINT

仕上げのチェック!
ギャザーはきちんと外に出ていますか?

POINT

介護される人の症状に応じて、おむつ交換の方法や工夫のポイントは違ってきます。ベストな方法、工夫などは、訪問看護師やホームヘルパーなどプロの方々に相談してみましょう。とくに体位変換などは最初からうまくいくとはかぎりません。繰り返しながら上達していくことで、双方の身体の負担も軽くなり、コミュニケーションも深まります。お住まいの地域の自治体や病院などが開催する介護教室で、おむつ交換について学べる機会があるかもしれません。地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。また介護歴の長い方に体験談を聞くのも役立ちます。

●声をかけましょう

おむつ交換をしてもらうときにどんな気持ちになるのか、介護する人は想像してみましょう。恥ずかしい、申し訳ない、情けない、といった自尊心を傷つける要素が多いことが容易にわかります。「おむつを交換しましょう」ではなく、「下着を交換しましょう」などと表現にも配慮をして介護をされる人の気持ちになるように心がけましょう。その気持ちがあれば、コミュニケーションはうまくいきやすく、おむつ交換でのお互いの負担が軽くなるでしょう。

●ベッドの高さに注意

ベッドの高さはおむつ交換をする人のやりやすい高さに毎回調整してから交換をしましょう。複数の人で介護している場合は、前に交換した人に合う高さになっているので要注意です。高さ調整を面倒がらずすることで負担は大きく変わります。また、ベッドはフラットにしてから交換しましょう。

●ベッドまわりの工夫

ベッドをフローリングの床や、滑りにくいタイルカーペットを敷いた上に置くことをおすすめします。畳よりベッドの重みに耐え、濡れたり汚れたりしても手入れしやすいという利点があります。ベッドまわりはできるだけ広くスペースをとって、介護する人がベッドの両サイドから入れたらベストです。また車いすやポータブルトイレを使うことも考慮しましょう。
ベッドの足元には、転倒防止のためできるだけモノを置かないよう心がけましょう。念のための防水シートを敷いて、その上に大判のバスタオルを敷いておくとちょっとした移動や寝返りがスムーズになります。